大工の仕事内容とは?
はじめに、皆さんには「大工」とはどんな仕事内容であるのか具体的すぐに答えられるでしょうか?建築に関する職人というイメージは思いつきやすいですが、現代における大工の仕事内容は時代の変化の影響を受け、その役割も変化しています。
まず、大工には種類があります。ここでは注文住宅に関連して、家屋大工という主に木造建造物の建築・修理を行う大工について説明していきます。
大工の仕事内容は、建築士が設計した設計図に従い建材を加工したり建築現場で組み立てや取り付けまで行うことが主となります。
住宅の基本となる柱や梁の構造から、天井や壁、床、と住宅を構成する部分の多くの工程に関わり、修理までも行っています。そのため、建築に関する様々な知識や、建材などを加工する技術も必要となります。
また、昔と違って今は建築工程のみではなく、建築士との打ち合わせや家づくりに関わる他の職種や使用する建材の仕入れなど事務的な仕事にも携わる場合もあり、仕事内容は多岐にわたります。
現代の大工と工務店の関係
工務店の役割
日本の家づくりでは昔から現場の中心には大工たちの存在がありました。
しかし時代の変化とともに、木造住宅の建設業を請け負う工事業が増えていき、総合的に工事を請け負う業者として後に工務店が広がっていきました。
現代の工務店は、規模や業務内容の範囲によって種類が分かれています。
その中で大工と直接的な関わりが強いのは地域密着型と呼ばれる工務店です。
大手ハウスメーカーや中堅建築業者のような規模が大きい工務店ではオリジナルのブランドを持ち、ある程度住宅ラインナップが揃っていることが多く、広告にも力を入れています。
そのため建築に直接かかる費用以外の費用もかかっており、
住宅建築の費用もその分高めの設定となります。
しかし工務店では地域に密着したエリアで建築業務を請け負っていることが多く、広告など大々的な宣伝よりも利用した人たちからの口コミや紹介によって依頼を受けることが主となっています。
住宅建築と大工の役割
日本で昔からある木造軸組工法(在来工法)は
大工の手によって一から建材を切ったり削ったりを設計に合わせて加工し、
み立てていくため、大工の腕にかかった手仕事が多い工法でした。
しかし現在は、
大手住宅メーカーや建築会社などでは予め必要な建材や部材は工場でプレカット加工し準備することで、大工が行ってきた手仕事が省かれ、そこにかかっていた時間や人件費も抑えることができるようになりました。
現在の木造住宅建築においては大工が実際に行うのは現場での準備された材料を組み立てることが主となってきたのです。
このことにより、昔よりも大工が行う工程にあった細かな技術を要していた手仕事が減ることになり、大工の個々の技術差が出にくく(わかりにくく)なってきました。
良い大工と工務店の関係を見極めるには?
良い大工にある差とは?
良い大工というのは、単に技術力がある、腕が良いということだけではありません。もちろん家づくりに必要となる技術力が高いことも大事ですが、家を建てたいお客側の立場を理解し、理想のマイホームとなるよう一緒に考えながら家づくりを進めてくれるという大工自身の気持ちの部分も含めて良い大工といえるでしょう。
しかし現代では住宅を購入するとなると数多くの住宅関連会社・住宅メーカーがあり、インターネットや紙面の広告から、たくさんの情報が溢れています。その中から単に良い大工だけの情報を得るというのは難しくなっています。
ではどのようにして住宅建築を依頼する前に、お客側が求める大工の腕の良し悪しや仕事への姿勢を確認すればよいのでしょうか。
それには今の時代だから確認できる場面や機会がありますので次から説明していきます。
大工の腕を判断できる機会を利用しよう
先に述べた大工の仕事に対するプロ意識としてのこだわりや、責任を持って取り組む姿勢は限られた範囲ですが、見て確認できる機会があります。
それは工務店や住宅メーカーが家づくりが完成した時に開かれる「完成現場見学会」や「モデルルーム見学」です。
そこでは実際に大工が手がけた住宅を見ることができるので、その家づくりに関わった大工の腕の良し悪しを判断できます。
住宅内部の細かなポイント(巾木の結合部分や窓枠、結合部分の細かなバリの有無など)も見ることができ、その住宅の仕上がりを見ることで大工仕事が丁寧に行われたものであるか、雑に行われたものであるかを自身の目で見て確認することができます。
また、他にも実際の現場の様子を見学できる「作業現場見学」という機会もあります。
ここでは大工の仕事現場そのものを実際に見ることができ、次のようなポイントをチェックすることで大工の仕事に対する姿勢も確認することができます。
●使用する大工道具や木材を丁寧大切に扱っているか
●くわえタバコをしながら仕事をしていないか
●現場は都度掃除がされており、整理整頓されているか
●対面時の挨拶や言葉遣いなどが丁寧であるか
そしてこのような見学会などを催す工務店は建てた住宅そのものだけではなく、どのような経過を経て住宅が建てられていくのかを見てもらうことも自社をアピールする目的としています。
そのため、実際に現場で見た印象や大工の仕事ぶりや言動は工務店側の家づくりに対する思い、重要視していることの表れでもあります。
もし工務店側の家づくりへのこだわりや重きを置いていることと、大工たちの職人としてのプロ意識やこだわり、家づくりへの熱意などお客様側の求めるものと一致していないと、建築工程での仕事への取り組み方はもちろん、完成した住宅にも後にトラブルとなるような欠陥の形として現われるでしょう。
よって、現場の雰囲気や丁寧な仕事がされているかによって、工務店が良い大工と関係を保てているかを判断できるといえます。